
もう、過去のニュースになってしまいますが、「ファッションセンターしまむら」の店員を土下座させたあげく、その様子を写メに撮り、Twitterに投稿した女性がいました。
札幌・東署は7日、札幌市の衣料品店で購入した商品が不良品だと訴えて従業員に土下座をさせた上、自宅に来て謝罪するよう約束させたとして、強要の疑いで札幌市白石区菊水元町10条、介護職員青木万利子容疑者(43)を逮捕した。土下座する様子を携帯電話のカメラで撮影していたという。東署によると、土下座の画像は短文投稿サイト「ツイッター」に投稿され、インターネット上で話題になっていた。
(MSN産経ニュースより)
もちろんこの女性は、匿名でTwitterに投稿したのですが、逮捕前にはすでに身元がばれて、ネット上に情報が流れてしまっていました。
警察が捜査をするのであれば、容疑者の携帯から送信されたデータを元にIPアドレスをたどれば、プロバイダに情報開示を求めて、特定することも難しくはありませんが、一般人にはそのような特権はありません。
今回の事件では、ネット上で潜入調査をするスネークと呼ばれる人たちの活躍が、本人の特定へと相成ったようです。
一体、どのような手段で、スネークたちは匿名の投稿から個人をあぶり出したのでしょうか?その手順を追ってみてみたいと思います。
1.Twitterの過去の発言や写真などから、情報収集
この時点では、投稿されたツイートをもとにその周辺の情報を収集していくしかありませんが、Twitter上で以前に投稿されたツイートや写真などの情報を元に大体の居住地とか、どんな仕事に就いているか、家族がいるのかどうかなど、人物像がぼんやりと見えてきたりします。
2.Twitterの写真と他の写真投稿サイトと照合
Twitterに投稿された写真と酷似した写真や発言が他の投稿サイトにもないかをチェックします。
今回は、フォト蔵から足が付いた模様(間違ってたらごめん)
3.投稿写真を元に検索
今度は写真投稿サイトへ投稿した写真を元にネットで検索し、別のTwitterアカウントが発見されます。このアカウント名からmixiなど、他のSNSでの利用がばれます。さらに、年齢と下の名前(よみがな)が判明してしまいます。
4.写真に写った子どもの名前(一部)から、苗字が推測される
投稿された子どもの持ち物の写真に名前の一部があり、そこからフルネームが推測され、Facebookで検索されます。この時点では、まだ、読み仮名でしかわかっていませんが、地元住民の協力で実家の住所や自家用車、名前(漢字で)が判明していきます。
これと、前後して過去の投稿や写真、さらにはGoogle ストリートビューなどを駆使して、自宅が判明してゆきます。
5.スネークによる監視対象となる
もうここまでくれば、お手上げです。勤務先もバレ、さらに望遠レンズを使って日常(子どもと散歩しているところなど)を写真に撮られ、ネット上に拡散してゆきます。
名前や住所はもちろんのこと、兄弟の仕事や生年月日、出身校までも晒されてしまいました。
こうしてみると、顔もあわせたことのないネット上の住民同士の連係プレーには目を見張るものがあります。
などと、感心しているばかりでいられません。SNSを利用するときは、同じアカウントの使い回しを避けるなどの対策もこの件を教訓にしなければいけません。
まぁ、そもそも立場上反論してこれない店員に対して、あまりにも理不尽な仕打ちを行ったことが発端ですから、こんな酷いことはしないというのが最大の対策かもしれませんね。